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収用の特別控除と合計所得金額のコマい話

・2011-03-22

tag : 所得税 /コマい話 /税法を読む /

収用で補償金をもらったときには扶養に入れない??

  • 「収用の補償金は5000万円の控除で所得ゼロになるんでしょ?」
  • 「でも扶養親族の判定に使う合計所得金額は5000万円の控除前で判定するからダメなんです。」

 ネットで収用と扶養親族(というか合計所得金額)の関係を調べると上記のQ&Aが出てきます。…が、なぜか誰も「なぜ?」を書いてないんですよね。。。そういう取り扱いが実務上されているということは何らか根拠があるはずなんですが、なんでだろ。

 私としてはその「なぜ?」が気になります。

収用の特別控除の概要

 ちょっと話が飛びます、ごめんなさい。

 資産を強制的に収用されて補償金を受け取った場合にも、その資産を譲渡をしたとして原則的には所得税が課税されます。

 収用によって資産を強制譲渡されたような場合には、所得税が課税されるといっても、その所得から5,000万円を控除することができ、加えて収用の特別控除はちょっと特別で、特段の申告作業が必要ありませんので、「所得がゼロになるんでしょ?(だから別に申告しなくていいんでしょ?)」という俗説になるんだと思います。

 さらにさらに収用の特別控除の控除方法も特別だったりして、控除方法は次のようになっています(条文的なものは後で)

  • (短・長)譲渡所得の金額
    =譲渡収入-取得費等-5,000万円特別控除
  • (総合)譲渡所得の金額
    =譲渡収入-取得費等-5,000万円特別控除-50万円特別控除
  • 山林所得の金額
    =譲渡収入-取得費等-5,000万円特別控除-50万円特別控除

 1つめの分離課税の譲渡所得は租税特別措置法上の所得ですからまだしも、残りの2つは、特別措置法が所得税法の本法にちょっかいを出している感じです。所得税法上の計算方法(-50万円特別控除)の前に割り込んでいます。収用の特例自体いろいろと珍しい取り扱いが多いですが、その中でも珍しい感じです。

 特別控除額は上から順に引いていきます(措置法施行令第22条の4)ので、分離課税譲渡所得から控除しきれずに総合譲渡所得や、山林所得で控除するというのは大分レアケースだと思いますが、これは繰越控除の段階で控除するということを言っています。

扶養親族の判定に使う合計所得金額とは??

 一般的に、扶養親族等の判定に使う合計所得金額とは「各種所得の金額計算をし、損益通算の計算もした後、だけど繰越控除や所得控除の所得の金額」と言われます。

 ここで先ほどの5,000万円特別控除です。計算上、各種所得の金額の計算上で控除する形になっているのですが、5,000万円を控除した金額をもって合計所得金額としていいのでしょうか。でもネットに出ている情報を見るとそうではないような…。疑問に思いました。

 居住用の3,000万円特別控除とかだと、課税所得金額から控除するので合計所得金額とか関係なくていいんですけどね。

合計所得金額の意義には読み替えがない??

 租税特別措置法というのはやっかいなもので、条文の読み替えというやつを頻繁にやります。「『○○』という文言を『□□』と読み替えるとか」とか、「『○○』という文言を『○○及び×××』と読み替えるとかそういう感じです。

 これがたくさんあると(腐るほどあるんですが)ツギハギに次ぐツギハギで、現行有効な文章はなんなのか全然わかりません。

 たとえば 上場株式配当と本法雑損失の繰越控除中の「総所得金額」との関係だと、

  •  三 所得税法第七十一条から第八十七条までの規定の適用については、これらの規定中「◆総所得金額◆」とあるのは、「◆総所得金額◆、上場株式等に係る配当所得の金額」とする。

 という感じで書いてあり、総所得金額じゃない配当の金額からも引いていいよということがわかります。

 先ほどの収用の規定も条文は、

  • 一  第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から五千万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十三条の四第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が五千万円に満たない場合には、当該資産の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする

となってあの計算式になりました。

 で、本題に戻りまして、このように「総所得金額」には星の数ほどの読み替え規定があるのに、「合計所得金額」には一切読み替え規定がないんですよね。「合計所得金額」の定義は、

三十  寡婦 次に掲げる者をいう。 イ 夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、扶養親族その他その者と生計を一にする親族で政令で定めるものを有するもの ロ イに掲げる者のほか、夫と死別した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、第七十条(純損失の繰越控除)及び第七十一条(雑損失の繰越控除)の規定を適用しないで計算した場合における第二十二条(課税標準)に規定する総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額(以下この条において「合計所得金額」という。)が五百万円以下であるもの

所得税法第二条

 とだけで、「合計所得金額から○○を控除した金額、とする」とかっていう読み替えの規定は他にないようなんです。なので、収用の特別控除のように合計所得金額の集計前の所得に影響する計算方法が指定されていたとしても、「合計所得金額38万円以下!」という制約を課している規定は全部これに従わないとなりません。

 理路整然とパズルを解いてそう言われると反論できませんが、釈然としない気持ちが残っています。

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